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相続税の節税対策10選|生前にできる王道テクニック | サンソレイユ税理士法人

相続税の節税対策10選|生前にできる王道テクニック

Column

相続税の節税対策10選|生前にできる王道テクニック

相続税は基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える財産があれば課税されます。財産規模によっては数千万円から億単位の税負担になることもあるが、生前に手を打てば数百万〜数千万円規模で圧縮できます。本記事では、相続税の節税対策として実務でよく使われる10の手法を、効果の大きさと実行ハードルで整理します。一つだけでなく複数を組み合わせるのが、節税の王道です。

① 暦年贈与で財産を計画的に移転します

毎年110万円までの贈与は贈与税が非課税。これを10年・20年と継続すれば、数百万〜数千万円を非課税で次世代に移せます。

暦年贈与の鉄則は次のとおりです。

  • 受贈者ごとに毎年110万円まで(子3人なら年間330万円まで非課税)
  • 金額・時期を毎年変える(毎年同額・同時期だと「定期贈与」と見なされ全額課税のリスク)
  • 贈与契約書を毎年作成し、受贈者の口座に振り込みます
  • 受贈者が自分で口座管理する(名義預金扱いを防ぐ)

ただし2024年改正で、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に持ち戻されることになりました。改正の詳細は生前贈与と2024年税制改正で変わった相続対策で解説しています。早めに始めるほど効果が大きいです。

② 相続時精算課税制度の活用

2024年改正で、相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が新設されました。これにより、累計2,500万円までは贈与税非課税、かつ年110万円までは相続財産にも持ち戻されません。

暦年贈与との使い分けの目安は次のとおりです。

ケース 推奨制度
相続開始まで10年以上ある若い世代への贈与 暦年贈与
高齢の親から子への大きめの贈与 相続時精算課税
値上がりが見込まれる資産(自社株・収益不動産) 相続時精算課税(贈与時の低い評価額で固定)

相続時精算課税は一度選択すると暦年贈与に戻れない不可逆な選択なので、長期的な相続シナリオを描いてから選びたいところです。

③ 生命保険の非課税枠を使い切る

死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。法定相続人が3人なら1,500万円までが相続税非課税で渡せます。

現金で残すと全額が相続税の課税対象になるが、保険に振り替えればその分の課税ベースが圧縮されます。90歳前後でも加入できる一時払い終身保険が増えており、相続が近づいてからでも対策が間に合うケースが多いです。詳細は死亡保険金と相続税|500万円×法定相続人の非課税枠をご参照ください。

④ 小規模宅地等の特例を活用します

被相続人が住んでいた自宅の土地は、要件を満たせば330㎡まで80%評価減になります。評価額1億円の自宅敷地が2,000万円まで圧縮される、相続税圧縮インパクトが最も大きい制度のひとつです。

事業用宅地(400㎡まで80%減)・貸付用宅地(200㎡まで50%減)も対象になります。複数の宅地を持つ場合は併用ルールで按分計算が入ります。要件・適用範囲の詳細は小規模宅地等の特例|自宅・事業用地の評価を80%減らす要件で解説しています。

⑤ 不動産購入で評価を圧縮します

現金を不動産に振り替えると、相続税評価額は路線価ベース(時価の7〜8割)になるため、評価が下がります。さらに賃貸用にすると貸家建付地評価でさらに15〜20%下がります。

たとえば1億円の現金で収益マンションを購入すると、相続税評価額は5,000〜6,000万円程度。一気に4,000〜5,000万円の評価圧縮になります。

ただし、2022年の最高裁判決(マンション節税否認)以降、税務上の合理性が問われる場面が増えています。否認リスクを下げるために、以下を意識します。

  • 購入から相続発生まで3年以上の期間を確保
  • 賃貸事業として継続的に運用
  • 短期売却目的ではない実体のある投資

また、不動産は流動性が低く、相続後の維持管理コスト・空室リスクもあるので、節税効果と運用負荷のバランスを見極めて選びたいところです。

⑥ 養子縁組で法定相続人を増やします

法定相続人が増えると、基礎控除(600万円×人数)、生命保険の非課税枠(500万円×人数)、死亡退職金の非課税枠(500万円×人数)、相続税の累進税率の分散効果がそれぞれ働きます。

養子縁組による法定相続人カウントには制限があります。

  • 実子がいる場合は養子1人まで
  • 実子がいない場合は養子2人まで

孫を養子にすると相続税が「2割加算」される(代襲相続人の場合を除きます)が、それでも世代飛ばしで節税効果が大きいケースがあります。家族関係への影響もあるので、税務だけでなく家族の合意形成を踏まえて検討します。

⑦ 教育資金・結婚子育て資金の一括贈与

祖父母から孫への教育資金一括贈与は1,500万円まで非課税(教育資金贈与の特例)、結婚・子育て資金は1,000万円まで非課税。期間限定の特例で、現時点では2027年3月31日まで延長されています。

教育資金贈与は信託銀行等を経由して管理し、領収書で使途を証明する手間があるが、まとまった金額を一気に移せるメリットは大きいです。孫が複数いれば、人数分の非課税枠が使えます。

⑧ 配偶者の税額軽減を計画的に使います

配偶者が相続した財産は、1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい方まで相続税がかかりません。一次相続では配偶者控除を使い切るのが定石に見えるが、二次相続まで考えると最適解は変わります。

たとえば一次相続で配偶者にすべて寄せると、二次相続で子の負担が膨らみます。一次・二次の合計税額が最小になる分割割合を試算してから決めるのが王道です。詳細は二次相続で損をしないための遺産分割の考え方をご参照ください。

⑨ 自社株評価を引き下げる(事業承継)

中小企業オーナーの相続税負担の大半は自社株が占めます。役員退職金の支給、含み損のある資産の処分、不動産購入、持株会社化など、複数の手法で自社株評価を引き下げられます。

事業承継税制の特例措置を組み合わせると、自社株式にかかる相続税・贈与税の納税が猶予されます。特例措置の申請期限は2027年3月31日(特例承継計画提出)。詳細は自社株評価を下げる4つの方法、制度面は事業承継税制の特例措置で確認できます。

⑩ 遺言書で分割・登記をスムーズにします

直接的な節税ではないが、遺言書がないと小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が「申告期限まで遺産分割が確定しない」リスクで使えなくなることがあります。遺言書で分割方法を指定しておけば、申告期限内に確実に特例適用が完了します。

公正証書遺言と自筆証書遺言の使い分けは公正証書遺言と自筆証書遺言の違いで解説しています。遺言書がない場合の流れは遺言書がないとどうなる?法定相続分と遺産分割協議をご参照ください。

10手法の効果と実行ハードルの比較

10の手法を効果と実行ハードルで整理すると次のようになります。

手法 節税効果 実行ハードル 実行期間
① 暦年贈与 長期(10年〜)
② 相続時精算課税 短期
③ 生命保険 短期
④ 小規模宅地等の特例 短期
⑤ 不動産購入 中期
⑥ 養子縁組 中(家族合意) 短期
⑦ 教育資金一括贈与 短期
⑧ 配偶者の税額軽減 申告時
⑨ 自社株評価引き下げ 長期
⑩ 遺言書 間接効果 短期

財産規模・家族構成・事業の有無で最適な組み合わせは変わります。サンソレイユ税理士法人では、相続発生5〜10年前からの段階的な対策設計を提案しています。詳細は相続税対策サービスで確認できます。

松本市・長野県の実務でよくあるパターン

長野県の相続案件では、自宅敷地(特定居住用)と農地、または収益不動産(アパート・駐車場)の組み合わせが多いです。具体的な対策パターンとして実務でよく取られるのは次のとおりです。

  • 60代後半〜70代の親世帯: 暦年贈与+生命保険+小規模宅地等の特例で課税ベース圧縮
  • 中小企業オーナー: 自社株評価引き下げ+事業承継税制+退職金支給で承継時負担を最小化
  • 不動産オーナー: 賃貸不動産購入+小規模宅地(貸付事業用)+生命保険で評価圧縮と納税資金確保

それぞれ単独でも効果はあるが、組み合わせると総額で数千万〜億単位の節税につながるケースもあります。

まとめ|「早く・複数・全体最適」が節税の3原則

相続税の節税対策は、早く始めるほど・複数の手法を組み合わせるほど・全体最適で設計するほど効果が大きくなります。一つの手法に頼ると、改正リスクや否認リスクで効果が消えることもあります。複数の手法を並走させて、リスク分散しながら税負担を圧縮するのが王道です。

自分のケースでどの手法が効くのか・どの順番で進めるべきかについて確認したい点があれば、まず相談してみてください。
フリーダイヤル 0120-971-131(受付 9:00〜17:30)

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