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M&Aによる事業承継という選択肢 | サンソレイユ税理士法人

M&Aによる事業承継という選択肢

Column

M&Aによる事業承継という選択肢

後継者不在の中小企業は127万社

中小企業庁の推計によると、2025年までに経営者が70歳以上になる中小企業は約245万社あり、そのうち約127万社が後継者未定です。後継者が見つからなければ、黒字でも廃業せざるを得ません。

親族内に後継者がいない、社内にも適任者がいない。そうした場合に第三者への事業譲渡、つまりM&Aが選択肢になります。M&Aは大企業だけのものではなく、従業員数名の会社でも活用されています。

中小企業のM&Aの流れ

フェーズ 内容 期間の目安
1. 準備 決算書の整理、企業価値の算定、仲介会社の選定 1〜2か月
2. 相手探し ノンネームシートで打診、候補先のリストアップ 2〜6か月
3. トップ面談 経営者同士の面談、事業内容の説明 随時
4. 基本合意 売却価格・条件の大枠を合意 1か月
5. デューデリジェンス 買い手側による財務・法務・税務の調査 1〜2か月
6. 最終契約・クロージング 株式譲渡契約の締結、代金の支払い 1か月

準備からクロージングまで、短くても6か月、一般的には1年程度かかります。「売ろう」と決めてからではなく、選択肢として検討し始めた段階から準備を進めることが重要です。

売却価格はどう決まるのか

中小企業のM&Aにおける売却価格は、一般的に以下の算式で概算されます。

売却価格 = 時価純資産 + 営業利益の2〜5年分(のれん)

たとえば、時価純資産が5,000万円、営業利益が年間1,000万円の会社であれば、7,000万円〜1億円が売却価格の目安です。

価格に影響する要素

プラス要因 マイナス要因
安定した収益基盤 特定の取引先への依存度が高い
独自の技術・ノウハウ 経営者個人への依存度が高い
優良な顧客基盤 簿外債務・訴訟リスク
有資格者・熟練社員の在籍 設備の老朽化
不動産など含み益のある資産 業界全体の縮小傾向

「経営者がいなくなっても回る会社」は高く評価されます。逆に、社長のトップセールスや人脈に依存している会社は、買い手がつきにくく、価格も下がります。

M&A仲介会社の選び方

中小企業のM&Aでは、仲介会社やアドバイザーを介して相手を探すのが一般的です。選ぶ際のポイントは以下の通りです。

確認すべき5つのポイント

  • 手数料体系:着手金の有無、成功報酬の計算方法(レーマン方式が一般的)、最低報酬額を確認する
  • 同業種の成約実績:自社と同じ業種・規模のM&A実績があるかを確認する
  • 担当者の経験:会社の実績ではなく、担当者個人の経験を確認する
  • 情報管理体制:従業員や取引先への情報漏洩を防ぐ体制があるか
  • 契約の縛り:専任契約の期間、途中解約の条件を確認する

最低報酬額は仲介会社によって500万円から2,000万円まで幅があります。売却規模に対して手数料が割高にならないか、事前にシミュレーションしてください。

M&Aにかかる税金

株式譲渡の場合

中小企業のM&Aで最も多い手法が株式譲渡です。経営者が保有する株式を買い手に売却します。

売却益に対して約20%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。たとえば、取得価額100万円の株式を8,000万円で売却した場合、譲渡益7,900万円に対して約1,600万円の税金です。

事業譲渡の場合

会社全体ではなく、特定の事業だけを売却する方法です。この場合、売却益は会社の法人税の対象となり、その後に残った利益を株主に分配する段階でさらに課税されるため、株式譲渡に比べて税負担が重くなる傾向があります。

退職金の活用

M&Aのクロージング時に、退任する経営者に退職金を支給するスキームがよく使われます。退職金は退職所得控除があり、さらに1/2課税のため、株式譲渡益よりも税率が低くなるケースがあります。

手法 課税 税率の目安
株式譲渡 譲渡所得(分離課税) 約20%
退職金 退職所得(1/2課税) 実効10〜20%程度
事業譲渡 法人税+配当課税 合計30〜50%

退職金と株式譲渡を組み合わせることで、手取り額を最大化するスキーム設計が可能です。この設計は税理士の関与なしには適切に行えません。

M&Aを成功させるための準備

3年前から始めるべきこと

  • 決算書の整備:不明瞭な勘定科目の整理、私的な経費の排除
  • 経営者依存の低減:業務の標準化、権限移譲
  • 不要資産の整理:遊休不動産、不良在庫の処分
  • 労務管理の適正化:未払い残業代、社会保険の適正加入

デューデリジェンスで問題が見つかると、売却価格の引き下げや破談の原因になります。「いつ売っても大丈夫な状態」を日頃から整えておくことが、M&A成功の最大のポイントです。

廃業とM&A、どちらが有利か

項目 廃業 M&A(株式譲渡)
従業員の雇用 全員解雇 原則として継続
取引先への影響 取引終了 事業継続
経営者の手取り 残余財産の分配(清算コスト差引後) 売却代金(のれん含む)
手続き期間 数か月〜1年 6か月〜1年

黒字企業が廃業すると、のれん(営業権)の価値はゼロになります。M&Aであれば、のれんを含めた対価を受け取ることができます。従業員の雇用も守れるため、経済的にも社会的にもM&Aが有利なケースがほとんどです。

後継者問題でお悩みの経営者の方は、まずはご相談ください。自社株式の評価、M&Aの可能性の検討、税務上のスキーム設計まで対応いたします。

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